東洋医学の面白いところは脈診で体の状態を
探ることだと思います。そもそも人間も動物
ですから四季の変化に伴い体の状態が変化する
と言われています。春は植物が冬の寒さを防ぐ
ために鎧った固い蕾から芽吹きを出すように
下から上に突き出すような脈→弦脈となり
夏は暑さに順応して活発に活動出来る様に
気血も最大限に巡らせるために洪水の脈のような
→洪脈となります。秋は夏の余韻を残しながらも
来るべき冬に備えて身体全体をセーブするために
表面に止まりつつ徐々に降下していく安定した脈
→毛脈となり、冬は寒さに耐えられるように極力
活動を抑えて水底に沈み込むような冬籠もりの脈
→石脈となります。(経絡治療212号より)
従って季節に応じた脈状を現わしていれば 良いと
思いますが、冬に夏の脈状を打っていたりすれば
病気の予後もあまり良くない状態になるかと思います。
ですから脈を季節の柔らかい状態にすることが治療の目的
という事になると思います。いわゆる脈作りが大切になります。